授業の目標と概要 |
近年コンピュータに蓄積させた莫大な量のデータから価値のある知識を抽出し、未来を予測する人工知能技術「データ
サイエンス」に関する研究が盛んであり、多変量解析はその基礎となる重要な理論である。この科目では多変量解析の
多様な手法のうち主要な三種に絞り、数学的な理論と、コンピュータによる実践的な処理の両面から知識を習得する
ことを目標とする。また、主要な三種以外の手法についても概略の紹介を行う。キーワード:数学・情報技術
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履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
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電卓や事前に配布した資料などを持参すること。線形代数の知識が前提となるため、本科で学習したベクトルや行列に
関する基礎的な項目を復習しておくこと。また、確率統計に関する知識も前提となるため、本科確率統計又は専攻科統
計学を履修しておくこと。さらに、コンピュータ実習のためUNIXリテラシー能力(Linuxのコマンド操作)も必要となるか
ら、アドバンストコンピューティングも必ず履修しておくこと。演習問題を10回程度・プログラミング課題を3回程度与
えるので自学自習に努めること。
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到達目標 |
判別分析・主成分分析・重回帰分析の各手法の基礎理論を概念図と数式を用いて説明できる。多変量データを実際に手
計算及びUNIXコンピュータを用いて解析操作ができる。
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成績評価方法 |
試験1回による評価を7割、レポートによる評価を3割として合否判定点を算出し、60点合否判定を行う。合否判定点で
不合格となった場合は、試験前日までに全レポートを提出していたことを受験条件とした上で、合格点60点で再試験を行う。レポート評価は個別の
レポート課題にて指示された項目を全て満たしていれば100点とするが、不十分な項目がある場合1項目につき-10点と
する。
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テキスト・参考書 |
教科書: 河口至南, 多変量解析入門I. 森北出版, 1973.
参考書1: 高遠節夫他, 新確率統計. 大日本図書, 2013.
参考書2: 佐藤義治, 多変量データの分類. 朝倉書店, 2009.
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メッセージ |
講義室での理論の学習は難しいかもしれないが、コンピュータを用いた実習課題は机上で学んだ理論を実際に視覚的に
確認でき楽しいものである。実習課題をより深く理解して楽しむため、座学の受講に力を入れよう。また、UNIXリテラ
シー能力も大変重要であるから、事前のアドバンストコンピューティングの履修にも力を入れて欲しい。
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授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
判別分析
考え方・2群の判別(2回)
二つの正規母集団の判別(1回)
コンピュータ実習・レポート作成(2回)
主成分分析
考え方・求め方(2回)
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概念図を描いて説明できる。判別式を導出できる。
正規母集団に対する判別式を導出できる。
コンピュータを用いて判別分析を行い、作図できる。
第1主成分・第2主成分を導出できる。
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後期中間試験 |
実施しない
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標準変量への変換(0.5回)
累積寄与率(0.5回)
コンピュータ実習・レポート作成(2回)
重回帰分析
重回帰式の考え方・求め方(2回)
コンピュータ実習・レポート作成(2回)
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標準変量に変換する意義を説明できる。
第何主成分まで考えれば十分か判定できる。
コンピュータを用いて主成分分析を行い、作図できる。
重回帰式を導出できる。
コンピュータを用いて重回帰分析を行い、作図できる。
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後期期末試験 |
実施する
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