授業の目標と概要 |
機械工学実習・実験Ⅲは,将来技術者として実験を計画し,それを実施するための基礎形成の場であ
り,その専門的知識を応用してさまざまな問題解決能力を養う上で重要となる.このため,実験の目的
や実験装置の構成,測定機器の取扱い方法を理解し,実験データの処理・現象の解析を遂行し,最終的
に実験報告書にまとめる力を養う.これにより計画性,自然現象の的確な把握力を身に付け,講義によ
り得られる専門知識を確認し,それを応用できる力を習得する.5研究室と実習工場(前期:機力・熱・
制御・生産・工場,後期:機力・熱・流体・生産・工場)を3週ごとに前・後期それぞれ巡回する.
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履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
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各教職員の指示に従い,筆記用具と電卓やレポート用紙,グラフ用紙などを持参すること.
服装は実習服の着用を義務付ける(上着のみでもよいが,ラフな格好や短パンなどの着用,サンダル履
きなどは事故につながる恐れがあるので厳禁とする.).
事前に教室掲示されているスケジュール表(班編成と実験テーマ)を確認すること.
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到達目標 |
各実験テーマにおいて示される,到達目標をクリアできる.
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成績評価方法 |
合否判定:各実験テーマのリポートがすべて提出され,その平均評点が60点を超えていること.ただ
し,未提出レポートが一通でもある場合,評点は60点未満となる.各実験テーマは,レポート80%+受
講態度20%で評価する.レポートの内訳は,全体内容40%+考察20%+課題20%とする.受講態度は,レ
ポートの評点が60点以上の場合のみ加算される.
最終評価:合格・不合格;合否判定と同じ.再試験:未提出レポートの提出により合格(60点)とする.
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テキスト・参考書 |
テキスト:各テーマにて配布されるプリントもしくは,指定される図書館または教員室所蔵の参考図書
を使用する.
参考書:必要に応じて,各テーマにて指定される図書館または教員室所蔵の参考図書を使用する.
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メッセージ |
授業開始時刻までに指定された研究室または実習工場へ集合すること.レポートの考察は,図書館また
は教員室所蔵の参考図書を使用し,内容の充実を図ること.また,レポートは必ず定められた提出期限
までに担当教職員へ手渡すこと.実験中に疑問点があれば積極的に発言し,個人ならびに班全員が理解
を促進できるように努めること.
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授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
★実習工場テーマ(前期・後期)
①MC実習(3回)
1.MCプログラミングの構成と内容説明
2.プログラム入力とシミュレーション
3.マシニングセンタの操作手順
4.プログラムチェックと切削加工
②溶接(3回)
1.ガス溶接の基本
2.溶接・溶断の基本作業
3.溶接残留変形に及ぼす溶接条件要因
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①-1.MCプログラミングの構成と内容説明ができる.
①-2.プログラム入力とシミュレーションができる.
①-3.マシニングセンタの操作手順を説明できる.
①-4.プログラムチェックと切削加工ができる.
②-1.ガス溶接の基本操作ができる.
②-2.溶接・溶断の基本作業ができる.
②-3.溶接残留変形に及ぼす溶接条件要因を理解できる.
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前期中間試験 |
実施しない
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★機械力学研究室テーマ(前期・後期)
①精密測定(3回)
②振動実験(3回)
★流体研究室テーマ(後期)
①管摩擦損失(1回)
②円柱の抵抗係数の算出(1回)
③熱線風速計による円柱後流の測定(1回)
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①摩擦係数,表面粗さ,歯車の精度を測定することができる.
②縦弾性係数,単振動,自由振動について理解し,データ処理ができる.
①管摩擦の発生原因とムーディ線図の使い方が分かる.
②抵抗係数の意味と風洞実験・レイノルズの相似則が分かる.
③熱線風速計の原理と特徴および円柱後流St数が分かる.
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前期期末試験 |
実施しない
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★熱工学研究室テーマ(前期・後期)
①熱電対による温度と熱伝導率の測定(3回)
②(仮)燃焼機器の性能の測定(3回)
★生産工学研究室テーマ(前期・後期)
①ミニ四駆の最適設計(3回)
②CAD/CAM/NC旋盤による印鑑製作(3回)
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①温度と熱伝導率の測定を通して,熱電対の原理と計測の確からしさ,及び熱伝導現象の理解ができる.
②燃焼機器の排出ガス温度と組成の測定を通して,エネルギーや物質の保存法則の理解ができる.
①品質工学(パラメータ設計と直交表実験)の基礎を理解できる.
②CAD→CAM→NC旋盤の一連のプロセスを理解し,自力で操作とプログラミングができる.
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後期中間試験 |
実施しない
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★制御情報研究室テーマ(前期)
①簡易分光器の作成(1回)
②光学実験の基礎(1回)
③画像処理と計測(1回)
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①回折格子を用いた簡易な分光器を作成・使用することで,光の特性が理解できる.
②測光・測色の概念を理解し,簡単な光学実験を行うことができる.
③身近な画像撮影機器を利用した簡単な画像計測や処理法が理解できる.
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後期期末試験 |
実施しない
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