授業の目標と概要 |
本講義では恒星までの距離、その光度などの測定法等を通して光度と色しか情報のない
星の性質を、物理で知る事を学びます。膨大なエネルギーを放出している太陽の発熱作
用とその寿命を理解し、恒星固有の質量により白色矮星、中性子星、ブラックホール等
の存在を知ります。最期に宇宙膨張を裏付ける宇宙背景輻射を学びます。
|
履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
|
教科書は入門書なので詳細に関しては適宜関連書を紹介する。
前半で物理量の計算が多いので例題は予習する事。応用物理の力学の知識は必須。
|
到達目標 |
太陽エネルギーの量を説明出来る。
太陽光のスペクトル線の意味を説明出来る。
核反応の式を書き、質量欠損による発熱作用を説明出来る。
重力収縮により生成される高密度星の大凡の密度を理解している。
|
成績評価方法 |
演習と試験を含めて60%以上を合格とする。
|
テキスト・参考書 |
教科書 講談社基礎物理学シリーズ0:大学生のための物理入門
参考書 講談社ブルーバックス:宇宙は本当に一つなのか
講談社基礎物理学シリーズ:相対性理論
|
メッセージ |
宇宙とは一体なんなのかその存在形態も含めて考えて欲しい。
|
授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
1、太陽のエネルギー(3回)
1、太陽の放射エネルギー、表面温度
2、太陽の密度、元素組成
3、太陽の輝きと寿命
2、星の物理 I(3回)
1、星までの距離、星の明るさ、温度
2、星の大きさ、質量
3、星の進化
演習
|
太陽は,どのくらいのエネルギーを放出しているか。太陽内部での陽子-陽子連鎖反応による質量欠損と発熱のメカニズム。
年周視差を利用した星までの距離測定法。ウィーンの変位則による光度、温度。シュテファンーボルツマン則を利用した星の半径の求め方。絶対光度とスペクトルによる星の進化の理解。
|
前期中間試験 |
実施する
|
3、星の物理 II(4回)
1、星の誕生から赤色巨星まで
2、赤色巨星からフラッシュまで
3、白色矮星から中性子星まで
4、ブラックホール
4、宇宙の物理(4回)
1、宇宙膨張
2、宇宙膨張と元素合成
3、宇宙論の論争
4、宇宙背景輻射の発見
|
CNOサイクルによるへリウム生成、ヘリウム燃焼。縮退電子ガス中でのヘリウムや炭素燃焼による温度上昇と莫大なエネルギー放出。
脱出速度を例にブラックホールの性質を理解。
宇宙膨張を示すハッブルの法則と
それを示唆するビッグバン模型を提示。
何故ビッグバン模型は宇宙背景輻射の存在を説明可能かを説明
|
前期期末試験 |
実施する
|