授業の目標と概要 |
近年の機械装置は自動制御がなくてはならないものになっており,自動制御に関する基礎知識は機
械技術者にとって必須技術の1つとなっている.従って,制御工学の基礎理論体系について理解する
とともに,現代制御理論を理解するための基礎学力を養成する.主にフィードバック制御を中心
に,基礎解析法と制御系設計に関する基礎事項を習得する.
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履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
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・講義後に演習を行う場合があるので,関数電卓を持参すること.
・制御工学には線形代数,応用数学(ラプラス変換,複素関数論など)が必要となるため,これら
の知識が受講の前提となる.
・講義終了後,自宅学習等により必ず復習をすること.
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到達目標 |
古典制御理論を体系的に理解した上で,フィードバック制御系の解析手法,解析結果の図示やその
物理的意味が理解できる.
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成績評価方法 |
合否判定:2回の定期試験の平均が60点以上であること.
最終評価:2回の定期試験の平均(100%)と自宅学習・学習態度(±10%)の合計
再試験:再試験は,全2回の試験のうち60点未満であった試験に対し行う.
合否は受験しなければならない試験すべてが60点以上であること.
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テキスト・参考書 |
教科書:やさしく学べる制御工学(今井・竹口・能勢著,森北出版)
参考書:1.制御工学の考え方(木村英紀著,講談社ブルーバックス)
2.はじめての制御工学(佐藤ほか著,講談社)
3.制御工学演習(鳥羽ほか著,森北出版)
また,これ以外にも図書館に多数ある.
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メッセージ |
講義は主に教科書に沿って板書で進めるので,ノートはしっかりとること.また,問題の解法を単
に丸暗記するのではなく,制御系の概念や表現方法など,制御工学の基礎となる重要な点を確実に
理解し,様々な問題に適用できるような力を身につけて欲しい.
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授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
1.ガイダンス・ラプラス変換(1回)
・授業内容説明,微分方程式の解法,ラプラス逆変換
2.伝達関数とブロック線図(3回)
・システムの微分方程式,および伝達関数表現,ブロック線図表現と等価変換,システムの応答特性
3.周波数応答(3回)
・周波数応答,ベクトル軌跡,ボード線図
4.総合演習1(1回)
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・基本的な関数のラプラス変換ができ,その性質が理解できる.
・ラプラス変換・逆変換を用いて微分方程式を解くことができる.
・物理系を微分方程式で表現でき,これを伝達関数に変換できる.
・物理系のブロック線図が描け,等価交換によって簡単な伝達関数に変換できる.
・システムの応答特性が理解できる.
・周波数応答の物理的意味が理解できる.
・伝達関数から周波数応答が計算できる.
・ベクトル軌跡が図示でき,周波数応答との関係が理解できる.
・ボード線図(折れ線近似)が図示でき,周波数応答との関係が理解できる.
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後期中間試験 |
実施する
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5.制御系の安定性(3回)
・安定性の定義,特性方程式,安定判別法,制御系の特性評価
6.フィードバック制御系の特性(3回)
・追従性,外乱抑制,安定性,ナイキスト線図,ボード線図,根軌跡,定常特性
7.総合演習2(1回)
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・制御系の安定性の定義,および特性方程式との関係が理解できる.
・安定判別法により制御系の安定判別ができる.
・評価式により制御系の特性を評価でき,その物理的意味が理解できる.
・フィードバック制御系の特性が理解できる.
・ナイキスト線図とボード線図により制御系の安定性が判別できる.
・ゲイン余裕と位相余裕の物理的意味が理解できる.
・根軌跡が図示でき,その意味が理解できる.
・制御系の定常特性が理解できる.
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後期期末試験 |
実施する
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