授業の目標と概要 |
力(モーメント)のつり合いのみでは応力を求めることができない不静定構造物の解法を学ぶ。静
定構造物と不静定構造物の違いを理解し,不静定構造物の応力を求めるために曲げモーメントによ
る梁の変形を微分方程式並びにモールの定理を用いて求める。その変形を利用し不静定構造物を解
く方法を学ぶ。不静定構造物として,不静定梁,不静定ラーメンを扱う。
|
履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
|
静定梁,ラーメンの解析はできるものとして講義を進める。簡単な関数の積分,連立方程式の解
法,変数分離形の微分方程式の解法を復習しておくこと。
解法の習得には,数多くの演習問題を解くことが効果的ですが,講義中に扱う問題数には限りがあ
ります。参考書などを利用し,自学自習を行うことが必要です。
定規,関数電卓を準備すること。
|
到達目標 |
(1)静定梁の変位を求めることができる。
(2)変位の境界条件を用いて不静定構造物の応力を求めることができる。
(3)たわみ角法を用いて不静定構造物の応力を求めることができる。
|
成績評価方法 |
4回の定期試験の結果の平均とし,60点以上を合格とする。
不合格者には,再試験を行い60点以上を合格とする。
|
テキスト・参考書 |
テキスト:阪口・須賀・窪田編著「建築構造力学Ⅱ」(学芸出版社)
参考書:最新建築構造力学Ⅰ(森北出版),建築構造力学Ⅱ(森北出版),建築構造力学演習(共
立出版)など
|
メッセージ |
わからない点は放置せず,早い段階で理解することが大事です。質問は歓迎ですが,疑問点を明確
にすること。
|
授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
1.静定梁の変形
(1)弾性曲線式によるたわみとたわみ角(2回)
(2)モールの定理によるたわみとたわみ角(2回)
(3)座屈現象と座屈荷重(1回)
2.不静定梁の解法 (2回)
|
・静定梁に荷重が作用するとき微分方程式の解あるいはモールの定理を用いて,たわみとたわみ角を求めることができる。
・たわみ,たわみ角を知ることにより簡単な不静定梁の応力を求めることができる。
・長柱の座屈荷重を求めることができる。
|
前期中間試験 |
実施する
|
3.仕事とひずみエネルギ(2回)
4.仮想仕事法によるたわみとたわみ角の解法(5回)
|
・仕事とひずみエネルギについて理解でき,単純梁,片持ち梁について計算できる。
・仮想仕事法を用いて,簡単な構造のたわみとたわみ角が計算できる。
|
前期期末試験 |
実施する
|
5.仮想仕事法による不静定梁の解法(2回)
6.たわみ角法によるラーメンの解法
(1)たわみ角法の基本式の誘導(1回)
(2)たわみ角法による不静定構造物の解法(4回)
(3)対称条件と有効剛比(1回)
|
・層ごとの柱頭のせん断力のつり合い式を理解できる。
・節点が移動(変位)する場合のラーメンのつり合い方程式をたてることができる。
・一般的なラーメンの応力を求めることができ,モーメント図,せん断力図,軸力図を描くことができる。
|
後期中間試験 |
実施する
|
(4)多層多スパンラーメンの解法(4回)
(5)特殊矩形ラーメンの解法(3回)
|
・多層多スパンラーメンのつり合い方程式を機械的に作成できる。
・特殊な形状のラーメンのつり合い方程式を作成できる。
|
後期期末試験 |
実施する
|