授業の目標と概要 |
コンピュータを利用する際に、ハードウェアやCPU時間といったリソースを管理するこ
とでコンピュータの有用性を高めるオペレーティングシステムについて、基本的な概念
や制御の方法を学ぶことで、コンピュータシステムに対する理解を深めるとともに、シ
ステム上で動作するアプリケーションプログラムの実装に関する着眼点などを知ること
を目標とする。また、プログラミング言語の授業で自分で作成したアプリケーションが
どのように動作していたのかを知ることができる。
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履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
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今までの実習等で扱ってきたオペレーティングシステムの基本的な操作や動作につい
て、ユーザの視点から一通り理解しておくことで、オペレーティングシステムがユーザ
から見えないところで行っている制御の理解を助けるので、普段からシステムの動作に
着目しながら操作すると良い。
また、授業の進行に合わせて適宜レポートを課す。
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到達目標 |
オペレーティングシステムの基本概念が分かる。
プロセスの制御の仕組みが分かる。
仮想メモリの管理の仕組みが分かる。
ファイルシステムの管理の仕組みが分かる。
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成績評価方法 |
合否判定:2回の定期試験の結果の平均が60点以上であること。
最終評価:2回の定期試験の結果の平均±レポート等10%による総合評価とする。
再試験:不合格であった定期試験の範囲それぞれに対して、出題した問題について60%以上得点することを合格の条件とする。
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テキスト・参考書 |
教科書:河野健二 オペレーティングシステムの仕組み (朝倉書店)
参考書:蒲地輝尚 はじめて読む486 (アスキー)
参考書:アンドリュー・タネンバウム他著・吉澤康文他訳 オペレーティングシステム
設計と実装 (ピアソン・エデュケーション)
参考書:高橋浩和他 Linuxカーネル2.6解読室 (ソフトバンククリエイティブ)
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メッセージ |
オペレーティングシステムの動作の仕掛けを知ることで、普段扱っているシステムのイ
ンターフェイスの必然性が見えてくるので、授業で学んだ内容と実際に操作したときの
動作の関連を意識するようにしよう。
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授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
デバイスと割り込み(1回)
プロセスとスレッド(2回)
スケジューリング(2回)
相互排除と同期(2回)
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ハードウェアの構成と入出力の仕組みが分かる
マルチプロセスの原理が分かる
CPU時間の管理方法が分かる
リソース競合の解決方法が分かる
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後期中間試験 |
実施する
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メモリ管理(3回)
仮想記憶(3回)
ファイルシステム(1回)
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メモリ空間の管理方法が分かる
仮想記憶を使ったメモリ空間の拡張が分かる
ファイルシステムの仕組みが分かる
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後期期末試験 |
実施する
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理想的な到達レベルの目安(優) |
標準的な到達レベルの目安(良) |
未到達レベルの目安(不可) |
評価項目 1 |
オペレーティングシステムの役割を説明し、デバイスの抽象化や割り込みによる機能の実現を理解できる。 |
オペレーティングシステムの役割や、デバイスの抽象化および割り込みによる機能の実現といった考え方を理解することができる。 |
オペレーティングシステムの役割や機能の実現方法を理解することができない。 |
評価項目 2 |
プロセスの基本概念を理解し、プロセスの起動から終了までの流れや切り替え、相互排除の必要性や仕組みを説明することができる。 |
プロセスの基本概念と、プロセスの起動から終了までの流れや切り替え、相互排除の仕組みの概要を理解することができる。 |
プロセスの基本概念や相互排除の考え方を理解することができない。 |
評価項目 3 |
仮想メモリの仕組みを理解し、オペレーティングシステムにおける管理やハードウェア支援の仕組みを説明することができる。 |
仮想メモリの仕組みや管理方法、ハードウェアによる支援について理解することができる。 |
仮想メモリの仕組みを理解することができない。 |
評価項目 4 |
ファイルシステムの仕組みや管理情報について理解し、説明することができる。 |
ファイルシステムの仕組みや管理情報を理解することができる。 |
ファイルシステムの仕組みを理解することがきない。 |