授業の目標と概要 |
機器を長期間有効活用するためには余寿命を評価し,予防保全保守管理する必要がある.そこで,
これらの技術的問題に対処するため,破壊力学の基本概念を理解するとともに,非破壊評価の方法
ならびに破損解析の応用について学ぶ.また,材料設計や評価方法の習得を通して,技術者の社会
や安全倫理に対する考え方を習得する.
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履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
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構造材料の安全性・信頼性は予防および破損解析と,その対策が極めて重要であるから,使える学
問でなければ全く無意味である.したがって,授業毎に行われる演習については,その都度必ずマ
スターしておくことが必要である.
基本要素は必ず自己学習し復習を怠らないこと.
計算をする演習もあるため,関数電卓を持参すること.
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到達目標 |
破壊に関する基本事項を理解し,それらを用いた材料設計ならびに技術的課題解決のため破壊解析
と,予防措置などの応用ができる.また,技術者の社会や安全倫理に対する考え方ができる.
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成績評価方法 |
合否判定:2回の定期試験結果の平均が60点を超えていること.
最終評価:合否判定と同様.
再試験:再試験の試験範囲は全範囲とし,合否は,再試験において60点を超えること.
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テキスト・参考書 |
教科書は使用しない.参考書は図書館に多数あるので利用されたい.
〈参考書〉例えば,構造材料の強度と破壊(A.S.テテルマン 培風館)
機械部材の破損解析(長岡金吾 工学図書)
破壊力学入門(村上裕則 オーム社)
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メッセージ |
授業中の演習によって内容の理解度が大幅に高まるから,授業を受けるにあたっては,理解できな
い箇所のないよう,積極的に質問することを希望する. また,演習は各授業で行い,重要な項目のみ
絞ってあるので,すべて理解し習得するよう努めること.
授業は主に補足資料を使用するが,板書での説明もするため,ノートはしっかり取ること.
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授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
1.材料の強さと破壊(2回)
2.破壊防止設計(2回)
3.脆性破壊に対する破壊力学の適用(3回)
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1.安全率と設計条件ならびに破壊力学の有用性が説明できる.
2.破壊を防止する基準について説明できる.
3.脆性破壊ならびに疲れ破壊について,破壊力学を適用して寿命予測ができる.
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前期中間試験 |
実施する
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4.疲れ破壊と疲れ試験(3回)
5.非破壊評価と非破壊試験(2回)
6.破壊事故解析(2回)
7.まとめ(1回)
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4.種々の疲れ挙動が解釈され,それぞれの特性値と支配要因との関連が説明できる.
5.それぞれの非破壊試験方法とその意義について説明できる.
6.いくつかの破壊事故例に関して,破壊力学の手法を適用した解析ができる.
7.破壊力学の手法を用いて,構造物の材料評価ができる.
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前期期末試験 |
実施する
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理想的な到達レベルの目安(優) |
標準的な到達レベルの目安(良) |
未到達レベルの目安(不可) |
評価項目 1 |
破壊力学の有用性を理解し、詳しく説明できる。安全率などを用いた複雑な計算ができる。このことから、予防措置などの応用ができる。 |
破壊力学の有用性を理解し、説明できる。安全率などを用いた簡単な計算ができる。 |
破壊力学の有用性を説明できない。安全率などを用いた簡単な計算ができない。 |
評価項目 2 |
ぜい性破壊や疲労破壊について、破壊力学と関連付けて理解し、詳しく説明できる。破壊力学を用いて、複雑な計算の寿命予測ができる。このことから、予防措置などの応用ができる。 |
ぜい性破壊や疲労破壊について、破壊力学と関連付けて理解し、説明できる。破壊力学を用いて、簡単な計算の寿命予測ができる。 |
ぜい性破壊や疲労破壊について、破壊力学と関連付けて説明できない。破壊力学を用いて、簡単な計算の寿命予測ができない。 |
評価項目 3 |
非破壊評価と非破壊試験について理解し、詳しく説明できる。材料や製造法から、適当な非破壊評価手法を選び、適当な理由を説明できる。 |
非破壊評価と非破壊試験について理解し、説明できる。材料や製造法から、適当な非破壊評価手法を選ぶことができる。 |
非破壊評価と非破壊試験について説明できない。材料や製造法から、適当な非破壊評価手法を選ぶことができない。 |