授業の目標と概要 |
流体工学は,機械系力学の基礎科目であり、現在、産業界のあらゆる範囲で活用される応用範囲の 広い学問であ
る.流体工学Ⅰの継続授業として,流体工学で重要となる基礎事項とし,各種流体現象とその背景にある物理的法
則の理解,さらにそれらの応用問題を解くことができる能力を養う.
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履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
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4年生の流体工学Ⅰの内容を十分理解していることが望ましい.授業では頻繁に演習問題を解くので関数電卓は必
ず用意しておくこと.授業で出される演習問題については予習復習を行い,理解を高めること。
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到達目標 |
物体周りの流れの理解を通し,境界層の概念および流体抵抗の原因について説明できる.翼周りの流れから楊力に
ついて理解でき,揚力を利用した各種流体機械の原理が説明できる.
また教科書・演 習問題の70%以上の問題ができる。
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成績評価方法 |
合否判定:2回の定期試験の平均点が60点以上を合格とする。
最終評価:(前期中間+前期末) /2 +演習問題レポート(max10点)
再試験:前期で学習する全範囲が対象となる.前期末再試験および学年末再試験を行う.
合否は受験しなければならない試験すべてが60点以上であること.
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テキスト・参考書 |
教科書:飯田他2名著 基礎から学ぶ流体力学 発行所:オ-ム社
参考書:
①水力学(改訂・SI版) 著者:生井武文ほか 発行所:森北出版
②水力学(基礎と演習) 著者:北川能監修ほか 発行所:パワー
社
③例題と演習・水力学 著者:中村克孝ほか 発行所:パワー社
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メッセージ |
授業はスライド資料を配布して書き込みしていく形式とする.
演習問題は各自,自力で解くよう努力をすること.
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授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
・ガイダンスおよび流体工学Ⅰの復習(1回)
・物体周りの流れ(2回)
・流体抵抗と抗力(2回)
・境界層の性質(2回)
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・流体工学Ⅰで履修した流体工学の基本法則やベルヌーイの定理などを応用した計算ができる.
・物体周りの流れについて説明でき,抗力評価に必要な抗力係数の意味や使い方が理解でき,簡単な計算に適用できる.
・境界層の概念が理解でき,3種類の厚さの定義を説明できる.境界層の制御が工学的に重要であることを説明できる.
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前期中間試験 |
実施する
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・翼型と楊力の発生(2回)
・流れの相似則(1回)
・回転する流体の性質(渦運動)(2回)
・次元解析(2回)
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・楊力の発生原理について説明できる.また,楊力係数の使い方がわかり,楊力の計算を行うことができる.
・風洞や水槽を用いた模型実験の際に重要となる,流れの総時速について説明でき,必要な各種パラメータを計算できる.
・強制渦と自然渦の違いについて理解でき,渦の強さを計算できる.
・次元解析の方法が理解でき,各種の実験関係式を導くことができる.
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前期期末試験 |
実施する
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理想的な到達レベルの目安(優) |
標準的な到達レベルの目安(良) |
未到達レベルの目安(不可) |
評価項目 1 |
境界層の重要性,流体抵抗および揚力の発生機構について理解・説明でき,それぞれ応用的な計算問題を解くことができる. |
境界層,流体抵抗および揚力について理解でき,それぞれ基本的な計算問題を解くことができる. |
境界層,流体抵抗および揚力について理解できず,簡単な計算問題を解くことができない. |
評価項目 2 |
渦の作用および種類について理解・説明でき,自由渦および強制渦,さらにはそれらを組み合わせた応用的な計算問題を解くことができる. |
渦の作用および種類について理解でき,自由渦および強制渦の基本的な計算問題を解くことができる. |
渦の作用および種類について理解できず,評価に必要な計算をおこなうことができない. |
評価項目 3 |
重要な無次元数および次元解析について理解・説明でき,それらを用いた応用的な計算問題を解くことができる. |
重要な無次元数および次元解析について理解でき,それらを用いた基本的な計算問題を解くことができる. |
無次元数および次元解析について理解できず,簡単な計算問題を解くことができない. |