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機械工作法,材料評価学

授業内容・授業計画

授業の目標と概要  各種構造物,装置などの機械分野における技術革新は,工業材料に関わる基盤技術に因るところが大で,機械設計者は機械の性能を十分発揮するため,使用する材料の構造,製
造プロセス,性質や機能を理解する必要がある.そこで材料設計・選択に必須の固体物理,金属組織,相変態の基礎知識を学ぶ.
 また,機械構造物には多くの工業材料が使われているから,技術者は競合する材料の諸特性を正確に対比し,優劣を判断できなければならない.そこで,前半で習得した金属材
料の基本理論を土台にして,鉄鋼材料,非鉄金属材料および新素材の基本を学び,与えられた技術的問題について,使用面で応用できる力を養う.
履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
 機械材料を有効に利用する上で基本となる事項を取り扱うため,実際面で使えることが最も重要である.したがって,事前に予習することが理解を早め,補足プリントに記載さ
れている演習問題に積極的に取り組み,復習して応用できるようにすることが必要である.
 また,それぞれの材料について,全てを暗記することは困難かつ無意味である.使える学問が重要であることから,実際面において用いるとき,キーワードとなる項目を正しく
身につけるよう心がけること.
 計算をする演習もあるため,関数電卓を持参すること.
到達目標  金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法および鉄鋼材料の熱処理方法の基礎的内容について理解し,目的に応じて応用できる.
 鉄鋼材料ならびに非鉄金属材料と主要な新素材の基本事項を理解し,目的に応じて構造物の材料設計に応用できる.
成績評価方法 合否判定:4回の定期試験結果の平均が60点を超えていること.
最終評価:4回の定期試験結果の平均点を90%,授業中の小テスト等を10%とし,その合計値で評価.
ただし,最終評価は定期試験結果の平均点を下回ることはない.

再試験:再試験は学年末再試験の1回のみとする.
再試験の試験範囲は全範囲とし,再試験において60点以上の場合に合格とする.
テキスト・参考書 教科書として,宮川大海,吉葉正行,『よくわかる材料学』(森北出版)を使用する.
参考書:矢島悦次郎,市川理衛,吉沢浩一,『若い技術者のための機械・金属材料』(丸善)
    高橋曻,浅田千秋,湯川夏夫,『金属材料学』(森北出版)
    長岡金吾,『機械材料学』(工学図書)
    門田和雄,『絵ときでわかる機械材料』(オーム社)
    野口徹,中村孝,『機械材料工学』(工学図書)
メッセージ  学生の関心や希望および技術革新に応じた多様な授業を展開したいと考えているため,積極的な授業参加を希望する.
 授業中に実施する演習は特に重要であるから,十分理解し習得すること.
 授業は,補足資料も使用するが,基本的には板書で進めるため,ノートはしっかり取ること.
授業の内容
授業項目 授業項目ごとの達成目標
1.金属および合金の結晶構造(2回)
2.平衡状態図(2回)
3.金属材料の機械的性質とその試験法(2回)
4.機械材料の疲れと疲れ強さ
 4-1.疲れ破壊(1回)
1.BCC、FCC、HCPの説明できる.
2.二元合金状態図から濃度変化を読みとることができる.
3.引張試験、硬さ試験、衝撃試験を説明し、それぞれの特性値が計算できる.
4.疲れ破壊が起こるメカニズムについて説明できる.
前期中間試験 実施する
4.金属材料の疲れと疲れ強さ
 4-2.試験法と疲れ強さの支配因子(1回)
5.金属材料の機械的性質と温度(2回)
6.金属材料の製造法(1回)
7.鉄鋼の分類およびFe-C系平衡状態図(2回)
8.鋼の熱処理
 8-1.鋼の熱処理のポイント(1回)
4.疲れ強さとその試験方法が説明できる.
5.低温脆性や加工硬化と加熱による回復再結晶ならびにクリープ現象が説明できる.
6.金属の製錬ならびに加工方法について説明できる.
7.Fe-C系平衡状態図と炭素鋼の組織の関連づけが説明できる.
8.CCT曲線を用いた鉄鋼の変態挙動について説明できる.
前期期末試験 実施する
8.鋼の熱処理
 8-2.鋼における各種熱処理と関連事項(2回)
9.構造用鋼(2回)
10.鋳鉄(2回)
11.銅および銅合金
 11-1.工業用純銅と平衡状態図(1回)
8.焼なまし、焼ならし、焼入れおよび焼もどしの関連が説明できる.また,Larson-Millesrの焼もどしパラメータの計算ができる.
9.構造用鋼を用途別に分類することができ,また機能を有効に活用することができる.
10.鋳鉄の組織支配因子を解釈し,鋳鉄の特徴を説明できる.
11.銅および銅合金の一般的な性質が説明できる.
後期中間試験 実施する
11.銅および銅合金
 11-2.展伸用銅合金と銅合金鋳物(1回)
12.アルミニウムおよびアルミニウムなどの合金(2回)
13.軸受け・ばね・工具材料(1回)
14.耐食材料(1回)
15.耐熱材料(1回)
16.新材料(1回)
11.銅および銅合金の性質を理解し,それぞれの用途に適用できる.
12.アルミニウム合金の熱処理に関して説明でき,基本的な合金を機能的に活用できる.
13.それぞれの材料について,必要な性質と種類が説明できる.
14.ステンレス鋼の種類を組織と対応して考えられ,それぞれのステンレス鋼を分類して,その特徴が説明できる.
15.耐熱材料の種類を組織と対応して考えられ,それぞれの耐熱材料を分類して,その特徴が説明できる.
16.それぞれの新材料について,その特徴を理解し,あわせて実用化について説明できる.
後期期末試験 実施する
到達目標
1. 金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法の基礎的内容について理解できる.
2. 鉄鋼材料の熱処理方法の基礎的内容について理解できる.
3. 鉄鋼材料の基本事項を理解できる.
4. 非鉄金属材料と主要な新素材の基本事項を理解できる.
  理想的な到達レベルの目安(優) 標準的な到達レベルの目安(良) 未到達レベルの目安(不可)
評価項目 1 金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法の基礎的内容について深く理解し,目的に応じて応用できる. 金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法の基礎的内容について理解し,目的に応じてある程度応用できる. 金属の基本構造ならびに機械的性質とその試験方法の基礎的内容について理解できない.
評価項目 2 鉄鋼材料の熱処理方法の基礎的内容について深く理解し,目的に応じて応用できる. 鉄鋼材料の熱処理方法の基礎的内容について深く理解し,目的に応じてある程度応用できる. 鉄鋼材料の熱処理方法の基礎的内容について理解できない.
評価項目 3 鉄鋼材料の基本事項を深く理解し,目的に応じて構造物の材料設計に応用できる. 鉄鋼材料の基本事項を理解し,目的に応じて構造物の材料設計にある程度応用できる. 鉄鋼材料の基本事項を理解できない.
評価項目 4 非鉄金属材料と主要な新素材の基本事項を深く理解し,目的に応じて構造物の材料設計に応用できる. 非鉄金属材料と主要な新素材の基本事項を理解し,目的に応じて構造物の材料設計にある程度応用できる. 非鉄金属材料と主要な新素材の基本事項を理解できる.
評価割合
  試験 発表 相互評価 態度 ポートフォリオ その他 合計
総合評価割合 100 100
基礎的能力
専門的能力 100 100
分野横断的能力
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