授業の目標と概要 |
発電所群で発生した電気エネルギーを送配電網により輸送、分配し、需要家で消費するまでの
一連のプロセスをつかさどるシステムを電力系統という。この巨大システムである電力系統に
ついて、変遷、系統構成の概要、及び系統の特徴などを学習する。
その上で、良質な電気、すなわち、周波数・電圧の変動が少なく、停電が少ない電気を経済的に
供給するためにはどのような制御が必要であり、かつどのような制御方法をとっているか、等の
電力系統の基礎的事項を学習する。
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履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
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・授業と各自の自習を重視して学習すること。ノートの作成は必修である。
・送配電工学の基礎知識があることが望ましい。
・周波数制御、電圧制御、安定度の授業では、微分方程式、制御理論など
関連する他の科目の知識も必要になる。
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到達目標 |
・系統構成、系統の特徴が理解できる。
・電力系統の基本的特性(周波数、電圧特性)が理解できる。
・システムの安定性と経済運用などの基本が理解できる。
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成績評価方法 |
合否判定:2回の定期試験の結果の平均が60点以上であること。
最終判断:最終評価=(合否判定の点数)±(その他評価点(±10点以内))が60点以上
であること。ただし、最終評価の最高点は100点とする。
再試は60点以上をもって合格とする。
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テキスト・参考書 |
教科書:電力系統工学(電気学会)長谷川淳、他
参考書:(1)電力系統工学(コロナ社、大学講義シリーズ)関根、他
(2)電力系統の制御(電気書院)野田、他
(3)電力システム工学の礎編(コロナ社)永田
(4)直流送電工学(東京電機大学出版局)町田
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メッセージ |
電力系統の基本特性は電気の基本知識であるので、確実に身につけるようにしよう。
また、教科書以外に、国内外の電力事情に関する記事、ニュースを毎日チェック
する基本動作を身につけるようにしよう。
必要に応じ、各自、シミュレーションソフトを使用することがある。
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授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
1.ガイダンスと電力システムの歴史(1回)
2.需給バランスと周波数制御(3回)
3.電力ネットワークと電圧の制御(3回)
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1.電力システムの歴史と発達、及びその構成が理解できる。
2.需給と供給のバランス、周波数制御のメカニズムが理解できる。
3.電力ネットワークの特徴、有効・無効電力、電圧の制御が理解できる。
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前期中間試験 |
実施する
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4.電力システムの安定度と安定化制御(3回)
5.直流電力ネットワークの安定性(1回)
6.電力システムの経済運用(1回)
7.電源開発計画(1回)
8.電力システムの信頼度(2回)
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4.定態安定度、過渡安定度の基本的事項が理解できる。
5.直流電力ネットワークの安定性の考え方が理解できる。
6.火力発電所の経済運用や電力損失を考慮した経済運用が理解できる。
7.信頼性、経済性の観点から電源開発計画が理解できる。
8.電力システムの信頼度の考え方、信頼度向上対策が理解できる。
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前期期末試験 |
実施する
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