授業の目標と概要 |
技術者が社会に貢献するために、技術が社会に及ぼす影響を理解する。
価値観の多様性を理解し、技術者が社会に対して負っている責任を果たせるようになる。
|
履修上の注意
(準備する用具・
前提とする知識等)
|
授業では、よく知られている技術者倫理に関する典型的な問題を取り上げ、その問題に関するグループ討議を行うと同時に、技術や環境に関
わるリアルタイムの社会問題を感度よくキャッチできるように関心を持ち続けるための調査課題を与え、発表する。
|
到達目標 |
技術者が持つスキルは,上手く使えば社会を便利で豊かなものにできます,悪用することだって出来てしまいます。さらに,当の本人は〈良
い選択〉をしたつもりでも,社会全体にとっては害悪をもたらす〈困った行動〉ということもあります。この講義では,《技術者は社会の中で
どのように振る舞うよう努めるべきであるかを理解できる》ことを目標とします。
|
成績評価方法 |
担当者3名の出した評価を各1/3として均等に合算し,その総合評価が満点の6割に達した者を合格とする。
不合格となった場合には,課題の再提出等によって評価の変更を行い,満点の6割に達していれば合格とする。
◇ 高橋剛: 確認テスト(33.3%)とレポート(2件;各33.3%によって評価する(計100%)
◇ 大石玄: 提出課題(10%)とレポート(90%)により評価する
◇ 川村淳浩: レポートによって評価する(100%)
|
テキスト・参考書 |
★ 教科書[大石担当部分]: 畑村洋太郎 『失敗学実践講義 文庫増補版』(講談社文庫, 637円)
☆ 参考書: 藤本温編著 『技術者倫理の世界 第3版』(森北出版)
☆ 参考書: 黒田光太郎他編 『誇り高い技術者になろう 第2版』(名古屋大学出版会)
☆ 参考書: 比谷根均著 『技術の知と倫理』(理工図書)
☆ 参考書: 中村昌允『事故から学ぶ技術者倫理』(工業調査会)
☆ 参考書: 電気学会倫理委員会『事例で学ぶ技術者倫理 第2集』(2014年,電気学会)
☆ 参考書: 基礎原子力工学(2013年,国立高専機構)
|
メッセージ |
討論への積極的な参加を求めます。また,他者を納得させる質の高いレポートの作成を期待しています。
教科書(失敗学実践講義)は4月末までに各自で購入しておいてください。
|
授業の内容 |
授業項目 | 授業項目ごとの達成目標 |
【 高橋剛 担当部分 】
01) 事例に学ぶ技術者倫理(二律相反問題)について
02) 安全安心社会のための技術倫理について
03) 組織の問題「技術者の自立」について考える
04-05) 内部告発: ギルベインゴールドを例に考える
【 大石玄 担当部分 】
06) 技術者倫理と法: 回転ドア事件
07) 公衆の安全: ハインリッヒの法則
08) 公衆の安全: JCO臨界事故,JR福知山線事故
09) 安全性とリスク: みずほシステム障害
10) 倫理的問題: コンプライアンスとCSR
|
01) 「開発」と「自然保護」など,一見二律相反するジレンマ問題を両立・共存させるため方法が必要であることを理解できる。
02) 科学技術の専門家になぜ倫理が必要か, 科学技術が社会に受け入れられるために何が必要かが理解できる。
03) 技術者が組織の中でどう判断し行動できるかが判断できる。
04-05) 組織の中の技術者が倫理的に行動する手段や責任が理解できる。
06-07) まず技術者倫理とは何かを知ったたうえで,倫理を下支えするものとして整備されている法律の制度を理解できる。
08-10) 技術者倫理を欠いたために発生した事故の実例を知ったうえで,技術者として望ましい行動を理解できる。
|
前期中間試験 |
実施しない
|
【 川村淳浩 担当部分 】
11) エネルギー・資源と現代社会
12) グループ討議・発表・討論
13) 福島第一原子力発電所事故
14-15) グループ討議・発表・討論
|
11-12) 現代社会の構図と科学・技術に携わる者の責務を理解できる。
13-15) リスクマネジメント、トリレンマ、地政学、世代間倫理など様々な視点からの考察と理解ができる。
|
前期期末試験 |
実施しない
|